三日坊主でもいいじゃない

次は四日やれば・・・

 

皆さん いつも雅の遊び字ギャラリーにお越しいただきましてありがとうございます

皆さんにはお変わりなくお過ごしでしょうか

私は 先日嬉しいことがありました

今年の夏はとても暑かったですが 外出には必需品だった日傘が 秋になった途端壊れてしまいました

「傘さんもお身体を酷使したのね」

「申し訳ないです」

そして

「お日さんから守ってくれてありがとう

 

折りたたみなので 本来は伸縮するのですが 伸縮しなくなり 長傘となっておりました

大好きな淡いピンク色で とても気に入っているので 処分せずに修理に出しました

そうしたところ 出来上がりまでには 50日程かかるということでした

店員さんが 傘の状態を確認されたら 内側の中心部に近いところの糸が緩んでいたり 二箇所程ほどけているということでした

傘の内側は黒色で 糸も黒の上 糸がだら~んとなって顔の近くに来るわけでもなく 何より私がぼ~っとしているのでしょうね

糸がほどけていることに 全く気が付きませんでした

傘をパッと開いたら 糸の部分はもう頭の上という感じです

 

店員さんが確認されて

「糸のほどけているところも直しますか?」

と聞いてくださったけれど 結べそうだったので

「自分でやります」

と言って傘をお預けしました

 

そして

先日出来上がりのお電話をいただいたのですが

「お詫びがありまして・・・」

とのこと

(何事?)

と思ったら

「糸付けの修理は不要で依頼したのですが 職人さんが無料で取り付けをされてしまったのです」

と 申し訳なさそうにお話くださいました

「いえいえ こちらこそ申し訳ないです」

「本当に無料でいいんですか?」

「ありがとうございます」

「とても嬉しいです」

とお礼を申し上げました

 

人生でお詫びをされて むしろ 嬉しかったのは初めてです

それでも店員さんは このように接客しなくてはならないのだな~と思ってみたり 感動してみたり・・・

傘の内側を見ると 緩んでいる糸もなく どの糸も 骨にピシッと留まっています

たぶん全部をやり直してくださったのだと思います

本来はお幾らお支払いしなくてはいけないのか分かりませんが お金の問題ではなく 職人さんのプロとしてのプライドを持たれた仕上げと 真心をいただいたと思って 忘れずに心に留めて置こうと思います

また一つ素敵な思い出ができました

「職人さん 本当にありがとうございます」

 

それでは

今日の作品です

三日坊主でもいいじゃない

次は四日やれば

ほな 

いつか ず~っとになるかも

ですが・・・

 

私は三日坊主の達人でして・・・

全く自慢できることではなく むしろ 唯々お恥ずかしい限りですが・・・

本当に物事が続かなくて・・・

 

やり始めの意気込みはなかなかいいのですが ふと気付くと もう続いていないという感じです

ですが

ある時

この三日坊主について考えてみました

「一体私は何故物事が続かないのだろうか?・・・」

今まで長く続いていることは

30年以上母親であること

そして

10年以上 筆ペン遊び字教室の主宰として 教室を開講していることです

この二つの共通点は ただ一つ

どちらも

大好きということです

 

子育ては 夫の他界により一人だったし その上 難病と闘いながらだったので 第三者的に考えると きっと大変だったのでしょうが 唯々楽しかった思い出しかなく 子どもが幼い頃可愛く思い 大きくなることが勿体ないと思っていました

そして

遊び字の作品制作も 自分では天職と思っていて 唯々楽しくて仕方がありません

だからこそ続いているんだと思います

 

と言うことは

続かないことは

好きではないということです

私にとって

好きではないから 続かないということです

当たり前かもしれませんが なんだか単純なことなんだと思いました

これが分かってからは

続かないことは無理にしなくてもいいかなぁと思うようになりました

 

ですが

そうは言っても やらなくてはいけない時もあります

そんな時は

当然三日坊主の繰り返しです

それでも

もう開き直って

次は四日やろうと思って また始めます

正解かどうかは別として 私はこれでいいことにしています

 

話の論点はだいぶずれますが・・・

好きだからこそ 三日坊主にならずに続けることができるというのが私の考え方ですが

好きだからこそ 三日坊主にならずに続けることができるにも関わらず 続けることができなくなるという経験も 私にはあります

 

私の前職は

プレストフラワーアーティストでした

なんだか横文字だとちょっと格好良く聞こえますが・・・

押し花の作品を作る仕事をしていました

 

結婚式で 花嫁さんが持たれるブーケを思い出にするために

結婚式当日に ブーケをお預かりし 例えば 薔薇の花であれば 花びらを全て分解し 一枚づつ押し花にして 乾燥後 元のように組み直して ブーケを再現し 額の中に閉じ込めて完成させるという仕事です

 

ブーケだけでなく 花瓶に生けてあるお花を花瓶と共に再現することもありました

その時も楽しくて 一生の仕事にしようと思っていたのですが・・・

 

講師の資格を取り 本格的に仕事を始めた途端 手足が痺れるようになりました

10作品程完成し納品した頃 ドクターストップがかかり 仕事を続けることができなくなりました

押し花は一旦乾燥させるとはいえ 空気中の水分を吸って 湿気ることが大敵なため 作品制作は時間との勝負です

いかに短い時間で 元の状態と遜色なく 美しく再現できるかが問われる仕事です

ですから

徹夜して 一気に長時間下を向く作業をしていたことで 手足の痺れの症状が出て 初めて私は首と腰に病気があることが判明しました

 

講師の資格を取る為に それなりの時間と それなりの費用を費やしたのですが 残念ながらもう続けることができないという現実と直面しました

ですが

何故かその現実が悲しいという気持ちではありませんでした

体の方が大切という気持ちではなく 仕方がないということで 自分が納得したというのが正しい表現です

 

私は 全てに於いて同じなのですが 後悔する時は 全力を尽くしていない時です

全力を尽くさないことで中途半端になってしまったり

やって失敗したことよりも 失敗はしないけれど やらなかった 挑戦しなかったことに多大なる後悔が残ります

ですから

プレストフラワーアーティストとしての仕事が たとえ自分の体によって奪われることであっても 自分としては その時にできることは たとえ足らないとしても 自分なりに頑張ったので 後悔はありません

 

そして

それから間もなくして

何故か 有り難いことに 遊び字の作品が舞い降りてきてくれるようになり 今の仕事に転職しました

プレストフラワーの仕事も 遊び字の仕事も 今でもどちらも大好きです

 

転職する時に

プレストフラワーの最後の作品を制作しました

モダンになるように黒い額を使い 白い紙に感激と墨で書き 落ち着いた色の濃いピンクの台紙と淡いピンクのマットを敷き 周りに 桜の枝と葉と花を押し花にして 満開の花と 花びらを作品の中に散らしました

もう一生プレストフラワーの作品を制作することはありませんので 本当は プレストフラワーにお礼を伝える意味で 感謝と書けばいいのですが 私は これは終わりではなく プレストフラワーと出逢ったからこそ 遊び字にも出逢えることができたと思って プレストフラワーが 遊び字に繋げてくれたという思いで

悲しい終わりではなく 輝かしい始りという想いを込めて 感激と書きました

これが 私の遊び字の原点です

プレストフラワーと遊び字をコラボさせた たった一つの私の宝物の作品です

 

もうプレストフラワーに携われることはありませんが これからも 遊び字を精進していきたいと思います

どうぞ皆さん 末永くお付き合いくだされば幸いに存じます

これからもよろしくお願い申し上げます

 

 

皆さんにとって素敵な一週間でありますように

それでは また~