縁は宝物

幸せな縁 大切な縁 宝物の縁

 

私は という言葉がとても好きです

そして

縁というものは

人知を越えた 贈り物だと思って とても大切にしています

 

勿論 縁には

良縁もあれば 悪縁もあります

人生の中には どんなに苦しくても

そして

胸が張り裂けそうでも 心を鬼にして 全力で 縁を断ち切らなければならない場面に 遭遇することもあるかもしれません

 

それでも

やはり 縁のある方は

人生の中で ごく限られた方であると思います

 

私は 筆ペン遊び字教室を開講してから 10年以上の時が過ぎました

そして

幸せなことに 10教室を開講しました

 

ですが

1教室以外は 自分の努力で開講したわけではありません

本当に幸せでしかないのですが 私を見つけてくださったお二人の方から ご紹介 そして 又ご紹介と繋がり 10教室の開講と至りました

 

ご縁をいただいた 全ての方に 心から感謝を申し上げます

 

長い年月の中では

残念ながら 途中でご縁の切れてしまう方もおられます

そして 今は閉講した教室もあります

でも

それも人生なのだと思います

 

私は その人生の中で

不思議なご縁に 度々巡り逢います

普通ではあり得ない

常識では考えられないという程

何故か 度々不思議なご縁で繋がります

 

 

その中の一つのご縁なのですが

10年近く前に 初めて お稽古に来てくださった方がおられました

それから 程なくして その方がご他界されたとお伺いし とてもショックを受けました

 

後に ご病気がおありだったとお聞きしましたが そんな中で お稽古に来てくださったということ

そして とても可愛らしく微笑まれる笑顔が 今でも頭から離れません

 

それから 3年の年月が流れ

ある企業様から お客様のお店のオープン記念のお祝いに 私の遊び字の作品を書いてほしいというご依頼を承りました

 

お届けするご本人に 直接お話をお聞きできないプレゼントに関しては 少ない情報の中から 最適な言葉の作品を書き 最適な額を用意しなければならないという 難しさがあります

 

企業様に お客様はどのような方か

そして

どのようなお店をオープンされるのかなど お聞きできる範囲でお尋ねしました

 

そうしましたら

リニューアルオープンをされる お花屋さんであるということが分かりました

そして

お店の大まかなご住所を言われましたが 私には 土地勘のない場所でした

 

ですが いつもの如く

直感のみで生きている私のアンテナが とてつもなく反応して このままやり過ごしてはいけないと 心に強く訴えてきました

 

そこで

企業様に お店のお名前と 御住所を最後までお聞きしました

 

そうしましたら

御住所が 私の 記憶の中のアドレスに ピッタリとはまりました

 

そうなんです

私の人生で たった1時間足らずのお出逢いで

3年以上前に ご他界された あのお稽古に来られた方の ご家族が営まれている お花屋さんだったのです

 

そして

その企業様は そのお店を建てられた会社だったのです

本当にびっくりしました

こんなことがあるんだなぁと思いました

 

そして もう一つ

最大に不思議に思えることがありました

何故私が 分かったかということです

勿論 直感で生きているということも 少しは関係あるのかもしれませんが 今回は そればかりではありません

 

私の人生で たった一度のお出逢いです

私の人生で たった1時間足らずのお出逢いです

でも お帰りになる時に このように仰いました

 

「私の住所を書いて帰ります」

「そしたら 先生から 素敵な贈り物が届くかもしれないから」

と言われたのです

 

だから

私は 住所を覚えていて 私のアンテナが 儚くも美しい思い出を引き寄せたのだと思います

 

お稽古に来られる方は ご縁のある方だと思っています

その当時 もし 一度しかお会いできなくても 私が決して皆さんを忘れないように お稽古の最後に 皆さんの集合写真を撮らせていただくことを お許しいただいていました

その方は ご用事がおありで 先に帰られることになりましたので お一人でのお写真を撮らせていただきました

 

そして

企業様に作品を納品させていただく時

その方のご家族に とても素敵な笑顔で微笑まれているお写真と お手紙を添えていただくようにお願いをいたしました

それはそれは 素敵な笑顔のお写真でした

闘病をされていて どうしてあのような穏やかな笑顔を 私に向けてくださったのかと

きっと 最後の最後まで諦めずに 精一杯生きられたのではないかと思います

 

私にとって

一生忘れることのできない かけがえのないご縁の一つです

「素敵な贈り物が届くかもしれないから」

と言われた ご他界される前に 交わした最後のお言葉は 10年近い時が流れても 今でも鮮明に覚えています

 

今となっては 何故そのようなことを仰ったのか分かりませんが 世の中には きっと 人知を越えた出来事や 言葉では表現できない領域の美しさが 存在するのかもしれません

縁は 幸せなものであり

縁は 大切なものであり

縁は 宝物であると思います

 

もう お伺いすることはできませんが

「私の作品は 素敵な贈り物でしたでしょうか」

ご縁が導いてくださった 

儚くも美しい 私の永遠の思い出です